刀鍛冶には流派があります。
備前、山城、大和、相州、美濃などです。
僕は備前で修行したので備前伝の刀鍛冶になります。
僕の作刀の興味は、作ることの探求にあります。
地鉄づくり、焼き入れの不思議さと出来上がった刀への効果を考えて作ります。
古名刀を写したものもつくりますが、地鉄、刃紋などの技術を考え、独自の作風の確立を目指しております。
刀づくりは自然の法則に従って、決して無理しないように心掛けています。
例えば、鍛錬をする時に鋼の色で状態を測り、くっつけたり、叩き伸ばしたりします。この時、無理をすると失敗につながります。
自然の法則を考えて作ることで、出来上がりも自然で見飽きないものができると思います。
また日本刀づくりは、作意をどの程度盛り込むかによって仕上がりが全く違います。
作意を入れすぎると精度はあがりますが、つまらないものになってしまうかもしれません。かといって自然に委ねすぎると、まとまりがなくなります。
バランスのとれた飽きのこないものを作ることを心掛けています。